健康的ですがすがしい空気環境を創り出すとともに、快適な湿度を保ち、
院内感染の予防にも優れた効果を発揮する。
2001年に簡易型1号機を完成させて以来、その空気清浄効果はもちろん、
メンテナンスの容易性や省エネ効果も評価され、これまでに50箇所以上の病院・福祉施設や企業等に
導入されてきた。
水を使って空気を浄化する北海道発のテクノロジーを世界へ!
「すいえんくん」と共に新たな一歩を踏み出した天羽氏もまた「北海道から世界」を目指す
イノベーターである。
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【快適な空気環境のために。ニーズに応える独自の空気清浄システムを開発】
--------御社の事業内容について教えてください。
>>天羽氏
弊社には大きな事業が二つあります。
もともとは、病院や福祉施設などを中心に、空調、衛生、電気などの設備工事です。
ただ工事を請け負うというだけではなくて、それぞれの施設の設備に対して、問題点を見つけ、
解決を提案する、というのを大きな柱としていました。
即座に問題を見つける力、問題を解決できる力。それが弊社の強みでした。
今はそれに加えて、モノを創る力を弊社は打ち出していっています。
多くの病院などの空調設備を見ていくうちに、どうしても従来のものでは満足できないことが
出てきました。
どうしてメーカーはもっといいものを作らないのか。そう思いました。
でも答えは単純です。できないからやらない。それだけです。
誰も作らないなら、自分たちで作ってしまえ、ということで、現在弊社の大きな柱となっているのが「すいえんくん」です。
---------従来の空調設備に対する問題点はどこにあると?
>>天羽氏
空調と言っても、温度しか制御できていないところが多い。
湿度を保てない、匂いが取れない、空気中の微生物を除去できない…。
おまけにこれだけ省エネが叫ばれている時代に、従来の空調はエネルギーを大量に消費します。
日本の空調の多くはアメリカ型の乾燥空調を導入しています。
乾燥空調は空気中の水分を奪っていってしまいます。
アメリカ人は日本人よりも乾燥した気候に身体が適応しているのでそれでもいいのです。
尿の量も日本人の3分の2です。
しかし日本は高温多湿の気候ですから、日本人の身体は乾燥に強くないんです。
ですから、それに適した空調を本当は整えなくてはならない。
そういうところから、「すいえんくん」という製品が生まれたんです。
本当の意味での「エア・コンディショナー」。空気のコンディションを整える。もちろん省エネも大きなテーマとして取り組んだ製品です。
---------確かに病院などに行くと、入った瞬間に空気が悪いなと感じることが多いです。
>>天羽氏
本来、最も空気が綺麗であるべき、病院や福祉施設など、健康を害した方、
身体を弱めた方のための施設は特に空気環境が悪いんです。
例えば、病院ですと院内感染の危険性もあります。
病院ほど空気が汚れているところはないと言ってもいいんです。
日本の病院は特に薬漬けといってもいいような状況です。大量に薬を出して、それで儲ける。
そんなことがずっと罷り通って来ましたから。
入院患者の方の尿、汗、呼気などから薬の成分も代謝されて空気中に発散されていきます。
その空気を自分も吸い、また周りの方も吸っているわけです。
病院の空気というのは、まるで喫煙室の空気なみに液化させると黄色くなるんです。
それほど汚れているわけです。
汚れているだけじゃなくて、おまけに乾燥もしている。冬なんて特に顕著です。
乾燥していると、くしゃみや咳で飛んだウィルスが伝播しやすくなる。
人は一日に12立方メートルの空気を必要とします。空気の中の水を身体は必要としているんです。
肺の中に水分が豊富にあると、菌やウィルスに対する免疫細胞が活性化するのですが、
乾燥した空気を吸っていると免疫細胞の動きが鈍くなるんです。
それに、空気中の水分、要するに湿度が保たれていると、空気中の菌やウィルスは動きがにぶくなります。
人間は鼻から空気と一緒に菌も吸います。3ミクロン〜5ミクロンの菌は鼻毛が、
2ミクロンまでは鼻の粘膜が防いでくれますが、それより小さいものは体内に入っていってしまうわけです。
特にお年寄りなんかは肺の機能も落ちてきます。ですから、
老人病院や老人福祉施設などでの死因では肺炎は2番目に多いんです。
今後ますますお年寄りは増えてくるのに、そうした施設の空気環境に対する問題意識や
取り組みは非常に遅れていると言えます。
そうした環境を改善していこうというのが、弊社の存在意義であると思っています。
【「すいえんくん」を世界へ!北海道発開発メーカーのパイオニアを目指す。】
--------天羽社長は出身は北海道なのですか?
>>天羽氏
そうです。生まれは小樽ですよ。
高校を卒業して、東京の空調設備の工事会社に就職しました。
--------会社を起こそうと思ったきっかけはあったのですか?
>>天羽氏
20代の頃から社長になるつもりでしたよ。
就職する時から、社長になれそうな会社を選びました(笑)。
1000人〜1500人規模の会社を選んだんです。それくらいなら社長になれるかなぁ、と漠然と(笑)。
高校では500人くらいの同級生の中で、成績でトップを取れたものですから、
「これなら1500人くらいでもトップにはなれるかな」という単純な動機で会社を選びました(笑)。
大学へは行きませんでした。大学行く時間がもったいないと思っていました。
とにかく早く就職したかった。早く働きたくて。大学へ行っても、
何を学ぶのか自分の中で明確ではなかったですから。
就職した時は同期が5,60人いました。ほとんど一流大学出身です。
私はその中でいつも競争意識を持っていました。
新人の頃から、上司に提案ばかりしていましたよ。仕事内容の改善提案です。
先輩たちのやり方が自分にはだらしなく見えて。日本でも有数の設備工事会社だったんですけど、
やることなすこと全て改善できることばかりだと思いました。だから逆に楽しかったですね。
--------問題点ばかり目についた、と?
>>天羽氏
そうです。問題を改善して、標準化していく。今で言うPDCAサイクル(※注)というやつですね。
それで37歳で技術部長まで昇進できました。当時としては異例の最年少でしたよ。
求人詩にも毎年登場していました。「30代でも部長になれる!」とモデルにされて(笑)。
でも僕を評価してくれて、引き上げてくれた上司が亡くなってしまいました。
それからは社内での立場は変わりました。風向きが自分に厳しくなったんですね。
嫉妬などもあったと思います。
それで、会社はきっぱり辞めました。これ以上いてもよくない、と。思い切って辞めた翌月には、
もう自分で会社を立ち上げていました。
※注)PDCAサイクル
典型的なマネジメントサイクルの1つで、計画(plan)、実行(do)、評価(check)、改善(act)の
プロセスを順に実施し、最後の改善を次の計画に結び付け、らせん状に品質の維持・向上や継続的な
業務改善活動などを推進するマネジメント手法。
--------退社して一ヶ月で起業ですか?
>>天羽氏
はい(笑)。
起業してからは9年経ちますが、ずっと苦労の連続ですよ。
いろいろな苦労がありますが、今までもこれからも鍵になるのは、やはり人材です。
会社は人で決まりますから。
でも人は集めるものじゃなくて、いい会社になれば自然に寄ってくるものなんですよね。
そのためにも魅力的な会社にしていきたいと思っています。
今も弊社は設備工事だけなら高収益企業です。今はそのお金を「すいえんくん」事業に
費やしている段階です。
今年からは徹底的に合理化、経費削減をして、そして「すいえんくん」を売っていく。
新しいキックオフの年だと位置づけています。
--------会社として今後の夢は?
>>天羽氏
「すいえんくん」を世界に広めていきたいですね。
もっともっとサイズが小さくて、効果が高いものを開発して、様々な場所に導入していきたいと
思っています。
例えば、公共の乗り物です。東京の地下鉄の空気なんかはひどいですよね。
たくさんの人が狭いスペースに押し込まれています。そこで菌やウィルスに感染する危険性は
非常に高いです。
それからホテルや飲食店。
入り口やレジの前に「すいえんくん」の導入済みシールが貼ってあると、
「あ、この店は空気が綺麗なんだ!」とみんなが思ってもらえるくらい知名度も高めていきたいですし、
普及させていきたいですね。
身に付ける「すいえんくん」というアイディアも考えています。
「すいえんくん」マスクとか「すいえんくん」ジャケットです。
どんどん小さくしていくことができれば可能になります。
ウォッシュレットはもう当たり前ですよね。それと同じように、
「すいえんくん」も「当たり前」のレベルにまで広めていきたいという目標を持っています。
弊社は今、「モノを開発する」ということにこだわっています。
北海道には開発メーカーが少ないので、そのパイオニアになれればと思っています。
北海道は歴史が浅い。だからこそチャンスも多い。
自分の名前を残していくチャンスは大きいと思っています。
そのためには一日36時間働かなきゃいけないですね(笑)。
【若いうちに沢山の疑問と好奇心を持つこと。自分次第で「引き出し」はいくらでも増える!】
--------昨年3月にはアモウ真栄研究所「エアパビリオン」を開設し、今年7月には本社も統合しましたね。
>>天羽氏
さらに、来年か再来年にはここ(アモウ真栄研究所・エアパビリオン)を子供たちの見学コースにしようと
思っています。
「すいえんくん」のメカニズム、なぜ空気が綺麗になるのかと視覚的に理解できるような施設や、
水を使った様々な体験施設、実験室を作って、子供たちが学べる場所にしていきたいと思っています。
それから移動実験室としての機能を持ったバス。それを各地の小学校に巡回させて、
子供たちに勉強してもらいたいですし、空気環境に対する意識を高めてもらいたいですね。
--------天羽社長は若い頃から「経営者になりたい」という目標を持って
行動されていたようですが、夢や目標の見つけられない若者が多いと思います。
そんな若者にメッセージをいただけますか?
>>天羽氏
それは大人の責任です。若者がだらしないと責める人がいますが、
それはだらしない大人のせいです。周りを見ればわかると思います。
若者はアイディアが豊富です。頭が柔軟です。年を取れば取るほど、
頭の中が乾燥してきます。30代から乾燥が始まるというのが私の自論です。
生まれた頃は、みんな同じスタート地点です。親や家庭環境、それから自分の努力で性格や
能力が変わってくる。
でも20代まではまだ自分自身の力で伸びることも変わることもできる。
ですから、私は20代がとても大切だと思っています。
そのためには、なんにでも好奇心や疑問を持つことです。何でだろう?
どうしてだろう?といつも考える。そうすると、人間の能力は引き出しが増えていきますよ。
若い人には何でも知ろうという好奇心を持ってもらいたい。引き出しは自分次第でいくらでも作れますから。
それから身近なことをきちんとやること。
例えば、掃除もきちんとできないのに綺麗な空気は作れません。
精神論的なことだけではなくて、身近なことをきちんとやれば、いろんな疑問が生まれると思うんです。
何でこういう場所に埃は溜まりやすいんだろう?なんで指紋は付くんだろう?
何で石鹸を使うと汚れは落ちるんだろう?そういう素朴な一つ一つの疑問がアイディアに繋がるわけです。
身近なことからヒントを得るだけですごく考えの幅は広がります。
何も考えないと、脳みそはどんどん乾燥していきますよ。20代は最後のチャンスです。
若さは二度と戻りませんし、30代からどんどん退化が始まりますよ。
20代で自分の最高値まで能力を高めないと。
いくらでもチャンスはありますから、まずはチャレンジして欲しい。
チャレンジする環境を与えてあげるのは、大人の仕事です。
大人の「責任」です。
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★取材を終えて
北海道には、開発メーカーが少ないのでそのパイオニアになりたい、と意気込む天羽氏。
「もの作りにこだわる!」という氏の目標は、「0から100まで自分たちで全て開発すること」だという。
現在の札幌の全事業所数に占める「製造業」の割合は、人口100万を超える14大都市の中で、
福岡に次いで2番目に低いのが現状である。
しかし、北海道という地理的ハンディを乗り越えた企業・製品は、高い技術力と
信頼を保障するものだとも言えるだろう。
技術・品質・マーケティングを重視し、全国市場、さらには世界市場を意識した天羽氏が、
新しい札幌の「もの作り」を牽引していってくれることを、我々は願ってやまない。
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プロフィール
天羽 則博
1952年、北海道小樽市出身。
1970年、株式会社 大気社入社。
1998年3月、同社を退社後、同年4月、株式会社アモウを設立。
2001年5月、「すいえんくん」簡易型第1号完成。
2003年11月、「北の起業家奨励賞」を受賞
2005年3月、ハイテクヒル真栄に「アモウ真栄研究所エアパビリオン」を完成
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関連ウェブサイト
株式会社 アモウ
http://www.amou-group.co.jp
株式会社 アモウ 求人情報
http://www.4510navi.com/modules/mxdirectory/singlelink.php?lid=123