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File No6 |
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株式会社 岩根研究所
代表取締役 岩根 和郎 氏
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全周動画映像を撮影し、その映像から3次元CGを自動生成してしまうという世界で
唯一のものすごい技術を持っている会社が、北海道・札幌に存在するのをご存知だろうか。
株式会社 岩根研究所。
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北海道大学応用電気研究所に勤務していた岩根和郎氏が、研究技術を実用化するために起業したのが、
1979年。今から27年前のことである。
当時は「大学初ベンチャー」などという言葉はなく、今でこそ花形のように注目を集める
「大学の技術を活かして起業」という姿勢も、当時は逆に風当たりの強かった時代だったという。
自分の研究を実現するために熱い信念を持ってスタートした同社は、
今では世界でオンリー1の技術を持つ、革新的な企業となった。
しかし岩根氏は、同社の本当の飛躍はこれからだと言う。
「人工知能」の研究から生まれる、時代の先を行く技術を武器に、岩根研究所は今まさに世界に
羽ばたこうとしている。
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【人工知能の研究から生まれる世界オンリー1の技術を社会に還元】
--------御社の取り組まれている事業内容について、わかりやすく教えてください。
>>岩根氏
今、現在外側から目に見える業務内容として、中心になっているのは、国土交通省に納入している
「道路管理システム」の開発、製造と販売です。
「道路管理システム」と一言で言っても、私たちの提供している「道路管理システム」は非常に
特殊なもので、我が社の研究開発している技術が全てそこに収められています。
それはビデオGIS、3次元GISとも呼ばれるものを活用したものなのですが、
その技術というのは世界でもオンリー1、ここにしか存在しない技術です。
それが今の弊社の最もわかりやすい事業でしょうか。
---------御社の「道路管理システム」とは、どのようなことが可能で、
どのように利用されているのですか?
>>岩根氏
用途として簡単に言えば、道路管理者のための業務支援ツールです。
道路管理者は、道路の状況や事故が起こったらその状況などを地域住民から電話等で受け、
それを確認して、上部機関に報告したり、広報するなどの義務があります。
又工事などで道路の形状を変更する計画や申請があります。それをいちいち現場に行ってやっていたら、
とても大変なのです。
弊社の「道路管理システム」は、そのほとんどを現場に赴かずに処理できるものです。
現場の位置も知れる、映像も出せる、その映像を通じて距離を測れる、映像に文字や印も付けられる、
測量もできる、…。
映像を通じて、何でもできてしまうような技術を開発して、提供しているのです。
これは世界でも弊社だけの技術、世界でオンリー1なのです。
製品として世の中に提供しているのは今お話したものです。
しかしそれをメインの事業としているわけではないのです。
外側からは見えない弊社の取り組んでいるメイン事業は、あくまで研究開発、それも「人工知能」の研究です。
その研究過程の中で派生した技術を活かして、「道路管理システム」も作られている、ということです。
---------「人工知能」というものについてもう少し詳しく聞かせてください。
>>岩根氏
簡単に言えば、ロボットの脳みそです。現在もロボットと呼ばれるものはいろいろありますけど、
私から言わせれば、ただのリモコンです。とても人工知能とは呼べないですね。
私が目指しているのは、本当に人間の判断のようなことができるものです。
「道路管理システム」は人工知能の研究と直接繋がっているのです。
システムは、様々な映像を扱って、映像の中から必要な情報を取り出して、判断して、結論を出す。
そういうプロセスを、人間がやっているのと同じレベルで自動にさせようとしているわけです。
それはまさしく人工知能ですよね。
今は大手自動車メーカーや宇宙開発機関に近未来の話として提言しているところです。
近未来には、人工知能を車や宇宙船に搭載して人間が判断できないことをやらせる、
というようなイメージです。
---------それは自動運転のようなことでしょうか?
>>岩根氏
そうです。ただ完全に自動運転に至るかは疑問があります。技術面だけではなく、
もし事故を起こしたら責任がどうするとか、社会的に難しい問題もあります。
しかし、人間の運転をかなりのところまでサポートする技術というのは可能ですし、
現在取り組んでいます。ですから、弊社の技術は大手自動車メーカーからも注目されています。
何もかも人間に代われるとは思いません。
例えば、感情を持たせるということは別の次元の話ですから。
でも、人間は物事の判断の多くの部分を映像でしています。
それに近いことはコンピューターで可能ですから、そこを徹底的に追求して、
研究に取り組んでいるのが私たちの仕事です。
私はもともと大学に勤務していましたから、昔はお金を国からもらって研究していました。
でも今は自分で稼がなきゃいけないのです。
研究をしているだけではお金を生まないですから、研究の途中で派生した技術を実用化して、
製品にして提供しているというわけです。
「道路管理システム」も最新の技術をどんどん注ぎ込んでいますから、どんどん進化していますよ。
---------世界でオンリー1というのは、簡単に言いますが、すごいことですよね!
>>岩根氏
20数年間研究を続けてきましたからね。結構なレベルまで来ましたよ(笑)。
今取り組んでいる「全周動画映像から3次元CGを自動生成する」という技術も
世界でオンリー1です!映像がそのままCG化してしまうこの技術は、
近い将来CGを駆逐してしまうかもしれません。この技術も現在商品化に取り組んでいるところです。
これからは行政だけではなく、民間分野にも私たちの技術を提供できるような商品を開発して、
普及させていきたいと考えています。
今まさに、大きな変革の時だと位置づけていますよ。
弊社の社員は、この小さな会社が今まさにこれから大きく育っていこうとしているという実感を
抱いていると思いますよ。それはすごくモチベーションになっていると思いますね。
私たちの技術は、時代を先取りしていると自負できます。
時代の先を行こうとそれほど意識してきたわけではないのですが、振り返ってみると、
いつも時代の先の行く技術を開発してきたという自負はあります。
【研究はライフワーク!広がる夢を生きているうちに実現したい!】
--------岩根社長が、今の事業に取り組もうと思ったきっかけは何だったのですか?
>>岩根氏
もともと大学の研究室にいた時から「人間の視覚」の研究をしていたんです。
私がいたのは境界領域の研究所で、物理学、医学、工学、数学…。
いろんな専門の人が集まっている研究所でした。そこで人間の視覚をテーマにしていたのですが、
人間の目というのは、情報処理のシステムとして捉えるとものすごく精密な機械なわけです。
ものすごい処理能力を持っているわけです。深く知れば知るほどその凄さがわかってきて、
機械でその一部でも真似できるものを作りたいと思ったんです。
でもそれを実現するには、大学はちょっと場違いだったんです。
大学の研究室にはいろいろな制約がありますし、当時はまだ3DCGなんてものは言葉さえありませんでした。
全く新しいことを開発するのは、自分の所属していた大学の研究室では難しかったのです。
でもどうしてもその研究がしたかったので、大学を飛び出しました。自分独りでやってしまえ!と。
今考えればものすごく無謀でしたね。それは若さゆえの思い切りだったかもしれません(笑)。それが37歳の時です。
--------今で言う「北大発ベンチャー」の走りですね。
>>岩根氏
そうですね。当時は「ベンチャー」という言葉がなかったですけれど。
今では「北大発ベンチャー」の第1号と言われているみたいですけど、
そう言われて初めて自分がそこに分類されている、と気づきましたね(笑)。
当時は「野に下る」と言われました(笑)。神聖な学問の世界から、汚れた世界に降りていく、
という見方をされましたよ。
今でこそ、大学発ベンチャーは注目を浴びますけどね。
--------起業当初はかなり苦労されましたね?
>>岩根氏
うーん。そうかもしれませんが、振り返ってみれば楽しいことでしたね。
他人から見ればどうかわかりませんが、あまり苦労とは感じなかったです。
ただ、もともと研究者ですからね。それがいきなり「経営」なんて自分にできるのかっていう不安は
ありました。僕は周りの知人たちからも、経営なんて世界からは最も遠い人間だと思われていましたから。
でもいざやってみたら、意外と向いていたかもしれないですね。案外適任だったのかな、と自分で思いました(笑)。
しかし実際には、経営は努力しています。
研究は努力していません。楽しんでいるだけですから。
本当に好きですから、24時間研究のことは意識しています。
夜中に目が覚めても考えていますから。
ただ「楽しい!」の一言だからです。そういう意味で、研究は私にとってライフワーク、生きがいそのものです。
経営に関しては、有能な人がいればいつでも代わってくれと思っていますよ(笑)。
経営も面白いとは思います。新しい工夫も必要ですし、発明と似たようなところも多分にありますから。
でも時間は24時間で、身体も一つです。有能な経営者がいれば、ぜひ代わってもらって、自分は研究に没頭したいと思っていますよ。
--------経営に関しては努力されている、とのことですが、最も難しいと思うのはどのような面でしょうか?
>>岩根氏
一つの組織、秩序を創って行くというのはものすごく難しいことなのです。
会社を運営しているのは、一つの小さな国家を運営しているのと同じだと思っています。
自分の思い通りに管理を強めていくと誰もついて来てくれない。しかし何もしなければ無秩序になる。
ここはとても難しく、また日々勉強になる部分です。
人はいろいろなタイプがいます。特に研究者というのは、他人に命令されるのは大嫌いな人間が多い。
私自身もそうですから。
そういう人間にはある程度の自由を与えなければならない。でもそれを全ての人間に当てはめると
バラバラになってしまう。
ですから、ある部分はきっちりと管理し、ある部分は完全に放任する。
それをうまく使いこなしていかなければならないのです。小さな国を運営しているのと同じだと思っています。
ただそうやって悩みながら20数年間経営をしてきて、不思議なことに、
どんどんうまく組織がまとまるようにはなってきましたね。
20年前と自分が違うやり方をしているという意識はないのですが、昔はぐちゃぐちゃしていたことも、
今はすんなりと行っている。これは「企業文化」として、蓄積されたものが生まれてきたのだと思っています。
20数年間経ってようやく、やってきたことは無駄じゃなかったのかなと思っています。
目に見えない「文化」として根付いてきたものがありますから。
社員は入れ替わっているんです。20数年経っていますから。ずっといる人はほとんどいない。
それでもなぜか企業としての統一感は蓄積されている。不思議なものですね。
20年前なら失敗していることが、今では失敗しない。組織としてようやく安定してきました。
昔は問題だらけでしたから(笑)。
起業した当初は、何をやってもまとまらない。皆バラバラでしたよ。
今は逆に妙にまとまりますね。
--------御社の夢や将来像を教えてください。「近未来プロジェクト」として
「人と動物のコミュニケーション」や「人と異星人のコミュニケーション」などユニークなことを挙げていますよね?
>>岩根氏
今、人工知能の研究に取り組んでいますが、結果的にそういうことが実現できるだろうと予測しています。
研究を続けていると、この技術が成功すれば次はこうなる、その次はこうなる、
と連鎖的に先が読めてくるんです。
コミュニケーションというものの本質は、自分の持つ「文化」と他人の持つ「文化」の共通部分を
探して対応させていくという行為です。
例えば、電話で話す時。音声を使って、お互いにイメージを共有しますよね。
「あの電話ボックスで待ち合わせ」という会話をしても、お互いは違った電話ボックスをイメージするかも
しれない。でも共有する部分をすり合わせてイメージを対応させていく。それがコミュニケーションです。
違う「文化」を持った者同士の共有部分の対応ということがコミュニケーションだと考えれば、
その延長線上には、人間と動物の間、人類と宇宙人の間のコミュニケーションだって可能なはずなのです。
お互いに共有できる部分を探していけばいいわけですから。そういうことを実際にコンピューターを使って
やろうとしているわけです。
それから「個性」を持つ人工知能の実現。突き詰めて考えると、人工知能というのは一つ一つ個性が
創られていくはずなのです。例え人工知能が量産されても、その一つ一つが経た体験によって個性が
形作られていくはずです。それぞれの中に記憶が「文化」として蓄積されていくわけです。
人間も皆そうですよね。
「個性」を持った人工知能たちが、自由にコミュニケーションを取っていく社会。
それを実現したいと思いますね。
ただあまりに忙しくて、考えだけが先行して、実際に取り掛かれていないですけどね(笑)。
これらは今やっている事業を成功させて、ある程度のまとまったお金ができたら、
いっせいに取り掛かろうと思っています。
それも僕が生きているうちにやりたいんですよ!
僕に一つ大きな誤算があったんです。僕はずっと生きられると思っていた。
寿命があると気づいたのは最近ですよ(笑)。今、63歳になったのですが、
60歳を過ぎた時に「自分が生きている間にどこまでできるんだ?」と初めて考えて、ちょっと慌てています。
僕の寿命は最初の計算に入っていなかったですから。急がなきゃいけないですね(笑)。
--------想像するだけでワクワクしますね!
最後に、この「Innovators’ Mode」では、北海道とこれからを担う若者に対して
メッセージをもらっています。
>>岩根氏
まず北海道に対する苦言から言うと、本当に活気がない。
元気が足りないと思いますね。東京に行くたびに刺激を受けて帰ってきて、活気の差はすごく感じます。
でもそれを差し引いても、北海道はいいところですよ。
ビジネスのことだけ考えたら、北海道にいる理由はないんです。東京に行けばいいだけですから。
ただ北海道には独特のバイブレーションがあります。
例えば、会議を一つとっても東京と札幌では違います。
東京ではどうしても目先の結果を追う会議になってしまいます。札幌で会議をすると、
もっと広い視野で物事を見た話し合いができます。
私たちは洞爺湖に研修所を持っているのですが、そこに行くとさらに長期的視野の研究や会議ができます。
北海道は独特の時間の流れがありますから、現実から一歩引いてものを見られるんです。
研究やクリエイティブな仕事をするには最適な環境だと思っています。
--------岩根社長は、研究が楽しくて仕方ない、ライフワークだとおっしゃいます。
しかし「好きなことがわからない」という若者が大勢います。
これから社会に出て行こうという若者たちにメッセージをいただけますか?
>>岩根氏
社会に出るというのは、若者には恐いことなのかもしれませんね。
昔、就職説明会で学生たちにも話したことなのですが、就職することを目的にするな、と。
自分の世界、自分の生き方をはっきり持って、もし自分のやりたいことができた時には、
自分で会社を作って実現した方が、何倍も人生楽しいと思います。
でもこれから社会にでる学生や若い方たちには、すぐにそれは無理でしょう。
お金もないでしょうし、準備もできていない。ならば、自分の将来やりたいことを実現するために
就職するという意識を持って社会に出れば、きっと目的なく就職するよりも何倍も成長できますよ、
という話をしました。
これから社会に出る若者が「就職が目的」になってしまっていては、発想が小さすぎると思います。
俺もいつか会社を作る、もしくは本当に自分の好きな世界で生きていく。
そのために今は準備として就職する。
そういう目的があって就職する人は、始めから経営者の視点で仕事をしますから、全然違うと思います。
結果的に会社を作れなくても、そういう人はものすごく成長しますし、
どこの会社に行っても有能な人材になれますよ。
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★取材を終えて
「人工知能」の研究について語る岩根氏は、本当に楽しそうに、活き活きと話す。
楽しそうに、しかし真剣に、自らの「ライフワーク」「夢」について語るその姿は、
聞いている我々までを楽しくさせ、想像を膨らませる力を持っていた。
取材後に、岩根研究所の開発した「ビデオGIS」「アクティブ・リンク・ビジョン」で
その技術を目の当たりにした我々は、その無限の可能性に引き込まれた。
素人目にはマジックかと思われるほどのその技術力は、岩根氏の語る「人工知能」の
実現を予感させるものだった。
本当に独創的な研究をするために、書籍や文献は一切参考にしないと徹底する岩根氏。
北海道から生まれた「大学発ベンチャー」の先駆けが、
世界を驚かせる日もそう遠くないかもしれない。
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★プロフィール
昭和18年2月4日 宮城県仙台市にて誕生。
昭和41年3月 山形大学文理学部物理学科卒業
昭和41年4月 北海道大学応用電気研究所に助手として勤務。
「人の視覚系の情報処理機構の研究」を行なう。
昭和53年5月 起業準備のため、北海道大学応用電気研究所を退官。
昭和54年4月 株式会社岩根研究所を設立。
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★関連ウェブサイト
株式会社 岩根研究所 http://www.iwane.com
株式会社アイエルエンタープライズ(岩根研究所グループ)
・影・デジタルコンテンツ作成
http://www.4510navi.com/modules/mxdirectory/singlelink.php?lid=177
・ウェブプログラマー
http://www.4510navi.com/modules/mxdirectory/singlelink.php?lid=180
・研究開発・商品開発
http://www.4510navi.com/modules/mxdirectory/singlelink.php?lid=181