イノベーターズモード presented by キャリナビ北海道

File No22

いるかママ 株式会社
代表取締役 菊地 晴海(KIKUCHI Harumi)氏

生活者の代表である札幌在宅主婦の力を大いに活かし「21世紀型の新サービスを提供する」
いるかママ株式会社。

2000年3月札幌に創業した同社は、「POS(販売基点情報管理)情報開示サービス」など今までになかった新しい目線の有料情報提供サービス業。創業8年(07.3期)にして売り上げ2億5000万円を達成。

2010年8月10日の株式上場を目指しているという代表の菊地晴海氏は、「今後も主婦組織の活躍の場を広げるなど、いるかママにしかできない小売業界は新サービスを展開し、地域社会に貢献できる企業を目指す」と語る。


取材・作成
酪農学園大学4年  菊地 遥

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【いるかオリジナル版POS情報開示システム 「MD加速エンジン Pos Ring ポスリング」】

--------まずは御社の事業内容について教えていただけますか? >>菊地氏


一言で言えば「有料で情報提供サービス」を本業としています。

有益な情報を、それを必要としている人に届ける。
その対価を頂くということです。

現在、弊社のインターネット活用し提供している有料コンテンツというのは「POSデータ」なんですね。


--------POSデータとは何ですか? >>菊地氏


POSデータとは、簡単に言えば、全国の地区ナンバーワンのスーパーマーケットで「どこのお店で、いつ、何が、どれだけ売れたか」のデータです。
店舗の販売実績の詳細なデータのことだと思ってください。

弊社の「POS情報開示サービス」は、全国の地域に密着した中堅スーパーのPOSデータを毎日、夜中に購入し、それを見たい人に翌朝、有料で一年間提供するというサービスです。

「見たい人」というのは、スーパーの取引先である卸売や食品メーカーさんなどです。
   (そのスーパーに納品している大手メーカー150〜200社程度。見たい放題でライバルのデータまで見る事ができる。加入年会費は157,700円)

POSデータを閲覧できることは、メーカーの販売戦略にとても有益な情報となります。

さらに、ただ閲覧できるだけではなく、瞬時にPOSデータを加工・分析でき、高度な販売戦略の立案や業務管理まで可能にしたのが、弊社のサービス「MD加速エンジン Pos Ringポスリング」です。
これは流通業としては、初のシステムであり、世界標準モデルすら目指しているサービスです!


--------POSデータを開示する側のメリットはどんなことがあるのですか? >>菊地氏


POSデータを開示することによって、開示したスーパーは、メーカーや卸売業者さんから、どんどん提案が受けられるのです。情報開示で関係者が活性化されますね。
販促企画の提案や様々な改善などが出てきます。

開示するスーパーにも、それを活用する側にも、win−winの関係が構築されます。
さらに、スーパーがよくなれば生活者、消費者にもいいことですから、全ての人によって有益なビジネスモデルとなりますよね。


--------「いるかママ」という社名の由来を教えてください。 >>菊地氏


弊社は、生活者の中核である主婦の感性とネットワークを活かしたビジネスモデルで社会貢献できる企業を目指しています。

イルカという動物は、母系集団で生活しています。群れの先頭を泳ぐのはメス、それもおばちゃんイルカなんですよ。
そして頭頂にある孔から出す超音波で、かなり高度なコミュニケーションを取っています。

つまり、女性を中心とし、そのネットワークを活かしていこうという弊社の姿と重なるわけです。

弊社のロゴマークは、海底から上がってきたイルカが、鳴き声でコミュニケーションをとる為の超音波を出ているのを表しているんですよ。
弊社は、先ほどのPOSデータ情報開示サービスの他に、「女性活躍事業部」として札幌在宅 約150名のお母さん達に登録していただいており、そのネットワークを活用したサービスも提供しているのです。
店頭での販売支援やデータ入力、アンケート調査、モニターなど、企業や店舗のニーズに応じて、お母さんたちには様々な活躍をしていただいています。

「働きたいのに、働く場所がない」というお母さんにどんどん活躍の場を提供する。
そういうステージを作ってあげれば、世の中のひずみもなくなり、社会、そして北海道を元気にすることができると思います。

優秀な女性はたくさんいるのに、活躍の場がないためにその力が活かされていないことが多いですよ!

弊社ももちろん、お母さん方々の力を活用させていただいています。

今の世の中、これだけインフラが整って、インターネットも携帯も活用できます。
ですから、一日中出社している必要も全くないし、自宅で仕事をしてもらってもいいわけですよね。
情報交換もメールや携帯でいつでも どこでも できますよね。
私も、外出時はほとんどの社内情報交換や指示を、携帯メールを活用して行なっています。 この多機能になった携帯メールとパソコンとの日常的な活用が大切と思います。
おじさん達も頑張っていますょ(笑)。

どうしても出社が必要な時だけ来てもらえば、それ以外は自宅で仕事をしてもらっています。

【皆をハッピーにするのが夢 〜 夢は大きい方がいいから!】

--------いるかママを設立する前にはどのようなお仕事をされていたのですか? >>菊地氏


大学を出てから、東証2部に上場している中堅商社であるナラサキ産業で財務・人事・営業と様々な仕事を担当しました。
いわゆる「金・人・モノ」と全てを担当したことになります。

1980年代の末、僕が40歳の時に、会社が「21世紀に向けて新しい事業を作らなきゃいけない」ということで、ナラサキビーズという情報提供・情報処理サービスの新会社を設立することになり、僕はそこの創業社長として出向することになりました。

1997年、事業開始8年目には、売上げ10億円を超え、安定的な黒字企業として確立したところで、親会社の方に引き戻されました。

1997年と言うとホリエモンなどを筆頭にITベンチャー企業が出て来始めた時期です。
ちょうどIT、情報という方向に時代が動き始めていました。

僕も当時 50歳になっていましたし、退職金も沢山くれると言うことでしたから(笑)、
会社を辞めて、団塊のおじさんも人生二毛作。
2000年3月にいるかママを起業したんです。


--------起業しようと決意するきっかけのようなことはあったのですか? >>菊地氏


サラリーマンで 人・物・金・創業社長を当時 40才で経験した団塊の世代はそうはいない。
20世紀(アナログ)と21世紀(デジタル)を繋ぐ、本当に社会が求めている21世紀型ビジネスモデルを事業化できるのは自分しかいないと思ったんですよ。
既存社会のビジネス仕組みを理解して その上で「21世紀型の新サービス」を提供したかった。

時代は大きく動いています。
僕は20世紀の真っ只中を生きてきました。
談合や利権など多くの現実も見てきました。情、恨み・・・そんなことで仕事が動く世界も見てきた。

でも、21世紀というのはデジタルの時代。
情報インフラ、コミュニケーション・ツールが進化して、誰もがフラットにコミュニケーションを取れる「優しい時代」になっていくと考えます。

流通の仕組みも変わる、金融の仕組みも変わる、人々のライフスタイルも変わる…。
情報を上手に活用して 無駄のない生活スタイルが出来る様になった。

そんな中で、僕は20世紀の終わりに情報産業の社長を経験し、20世紀の古い社会の体制も知っていれば、21世紀の求めるものもわかる。

だからこそ、20世紀と21世紀を結ぶ「架け橋」にならなければならないと思ったのです。

この橋渡しは僕しかできない!と思ったんですね。


--------起業されて、どんな苦労がありましたか? >>菊地氏


創業期は苦労だらけですよ!
でも、僕は40才で創業社長を経験させてもらっている。
それは大きかったですね!

最近は、起業がブームのようになっていますけど、創業するのは誰でもできます。
でも継続していくことが大切ですし、難しいことなのです。

ベンチャー企業は、3年が1つの節目でその3年間は「死の谷」と呼ばれているんですね。
お金はすぐになくなる、でも銀行もお金を貸してはくれない…。
最初の3年間で、1000社あったら3社しか残らないとも言われています。

そしてさらにその「死の谷」を、涙を流しながらボロボロになって這い上がった後には、海が待っているんですよ。
これを「ダーウィンの海」と言います。

「死の谷」を這い上がってきたと思ったら、休む間もなく、今度は真っ暗な海を7年間泳ぎ続けなければならないんです。
泳ぎながら、サメ等が次々襲ってくる様々な信じられない出来事をすり抜けなきゃいけないんですよ。

起業しようという人には、その覚悟を持って臨んでもらいたいと思います。
ベンチャーの創業期は 通算 10年間 頑張る覚悟がいる!


ちなみに「いるか」はその海を抜けるまで後2年あります(笑)。


--------2010年8月10日と明確な日付をもって、株式公開の目標を掲げられていますね! >>菊地氏


上場と言うのは、あくまで1つの目標です。
上場すると、ガラス張りの状態で働かなければならないんですよ。
それに一定基準をクリアしている企業ということで、信用度に繋がります。

最近は例のホリエモンの件もあって監査法人の審査が少し厳しくなりましたが
スローガンですから、公表しています。


--------上場した後の目標は? >>菊地氏


既に何をどうしていくかという戦略、事業計画もしっかりできています。
先ほども言いましたが、「Pos Ring ポスリング」を担いで、中国・EUへと進出したいですね。
行く行くは、世界標準モデル、グローバル・スタンダードを目指します!

言葉は違っても、数字の0〜9は世界共通です。
数字を見せるのが、一番人間を納得させる方法ですから。
「ポスリング Pos Ring」は世界に通用するモデルですよ!


--------社長の夢は何かありますか? >>菊地氏


「皆をハッピーに!」ですかね。

まず、広く雇用の機会を提供したいという想いがあります。
北海道は、女性の活躍の場が少ないですよね。
優秀な女性、高学歴な女性、主婦層にどんどん社会に貢献する場を提供していきたいと思っています。

また、弊社で働いてくれている社員にも多くの還元をしていきたいと考えています。

上場してから 上手くいっていない会社は、社員に還元していないんです。
経営者だけが良い想いをして、独り占めのイイトコ取りではダメなんですよ。

社員、顧客、取引先、そして社会。
みんながハッピーに!

夢は大きい方が良いですもんね(笑)!




【座右の銘は「Let It Be」。 あるがまま生きていきたい!】

--------北海道という言葉が出ましたが、菊地社長は北海道のどこが好きですか? >>菊地氏


なんたって自然が良いですね!
都会は嫌だね(笑)。
リズムと波長は合うけど、どっと疲れてしまいます。

道外に出た人は「みんな北海道に戻ってきなさい!」と言いたいですね(笑)。

地球温暖化で、2040年頃には更に平均気温が上がって、大阪や関西、いずれは東京まで亜熱帯になると言われています。
毒グモや毒蛾も出てきて、気候自体人間が住める環境ではなくなってしまいますから(笑)。

北海道は、給料は安いけどトータルに考えると札幌が一番良いですよ。
通勤時間はかからないし、北海道は自然があり、生活スタイルが豊かですから!

結婚して、子供ができたら、北海道という空気の綺麗なところで育てるのが子供たちにとっても一番ですよ。


--------当サイトは、学生・求職者が多く閲覧しています。
菊地社長の求める人材像というのは何かありますか?
>>菊地氏


まずは、基本のしっかり出来ている人です。
挨拶ができる、書類は綺麗に書いて出す、など社会人としての規範ができている人ですね。
それが最初の条件ですよ。
能力としては、何かに特化した能力を持っていて欲しいですね。
何もかも平均的にこなせるという、棘が同じ高さのコンペイトウではダメです。
私はとんがりコーンが欲しいですね(笑)!
他はダメでも、何か一つ特殊的な能力を持っている人が欲しいです。

そして一番大切なのは、愛される喜びを知っている人(笑)!
きちんとスキンシップなどを大切にしている人間じゃないと愛は語れないですよ(笑)。


--------ニートやフリーターなどが近年問題となっていますが、「やりたい事がみつからない」という人にアドバイスをいただけますか? >>菊地氏


とにかく一生懸命やる、という事が大切ですね。
何でも良いからとにかく何かやってみてください! 自分の魅力を自分で気づき 自分を育てて下さい。

1ヶ月で良いからアルバイトでも何でもやってみる。
はじめから否定するのではなく、必死になってやる。 継続で自分発見出来ます。

そこから色々なモノが見えてくる。
自分に関わったものを素直に一生懸命やると自分のやりたいことが自然と見えてきますよ。


--------学生の中には就職先を決められなくて悩む人も多いのですが、菊地社長が学生時代に就職を決められた理由は何ですか? >>菊地氏


採用時の人事部長が新入社員研修で「土台としてナラサキを使え!」と言ってくれたからですかね。
「早く会社を辞めなさい、組織人間で終ってはいけない」と。

いまから思えば、その言葉に触発されたのが大きかったと記憶しています。
  団塊世代(1947〜49年生まれ:現在59才前後)のおじさん達は 「人生二毛作」が普通になっている。三毛作している友人もいます。


--------では、独立意欲は学生時代からあったのですか? >>菊地氏


ないない!!
酒ばかり飲んでいた、ただの安定志向でしたよ(笑)。

でも、時代は動いていますからね。
若いときに自分の一番不得意な事を一生懸命やると 自分発見ができます。 
ものの見方がかわってきて、幅が出てくる。
人生は一度しかないですし、自然とやりたいことが出てくるものなのです。

その時に自分を押し殺すか、それとも勝負に出るか。
それが生き方の分かれ道ですよね。

先ほども言いましたが、社会が大きく変わる20世紀と21世紀の橋渡しをしたかったんですよ。
北海道はあまりにも元気がないですから、活性化に貢献したいという想いもありました。


--------最後に御自分を漢字一文字で表すと何だと思いますか? >>菊地氏


『粋』かな。
こだわりじゃないけど、個性を出して生きていきたい!

座右の銘は、漢字じゃないけど(笑)、「Let It Be」。
なるようにしかならないけど、あるがまま生き抜いていきたいんですよ。

まだまだ鼻が赤くなるまでお酒を飲みながらね!


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★取材を終えて

わかりやすい例やジョークなどを交えながら、流暢に人生を語ってくれた菊地晴海氏。
私にとって、初めての取材であったが、とてもリラックスして楽しむ事ができた。

「POS情報開示サービス」と初めて聞いた時は、どんなサービスか全く想像がつかなかった。
このような画期的な事業は、社会を知らない学生では思いつきもしないであろう。
世の中は私達学生が想像している以上にわからない事だらけだ。
でも、話を聞いて社会に出ることはとても大切であるということを再確認できた。

菊地氏と話して一番感じたことは、若者以上に大きな夢を持っていて、そしてポジティヴであるということ。
そして「何事も一生懸命やることが大切」という言葉にはとても共感できた。

菊地晴海氏にはこれからも夢に向けて突き進んで行って欲しい。
その反面、私たち若者も負けていられないと強く思った。

今回はとても良い経験をさせてもらい、本当にありがとうございました!


取材・作成
酪農学園大学4年  菊地 遥

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★関連ウェブサイト

いるかママ 株式会社
https://www.irukamm.co.jp/

菊地晴海KIKUCHI Harumi E-mail harumi-k@irukamm.co.jp

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